オーガニックコットンについて

ロープスの考え方

 ロープス・オーガニック・コットンは、無農薬有機栽培された綿花をその素材に用いています。
 海外のさまざまな産地で紡績されたオーガニックコットン認証済みの糸を、一切の化学的処理を行わず、日本国内の職工さんの手作業によって生地や製品に加工されています。
 綿花(種)が本来持っている白、茶、緑といった色や風合い、肌触りを活かすため、染色・漂白も行っていません。

 一方、通常「綿」「コットン」と表記される原料は、その栽培過程で大量の化学肥料や農薬が撒かれ、機械で収穫しやすいよう、葉や茎を枯らしてしまう枯葉剤も使用されます。
 製造工程においては、化学薬品を用いた漂白・染色が行われます。

 ナチュラルな天然素材といったイメージの綿ですが、実は自然環境を傷つけ、産地で暮らす人々の健康を脅やかしている側面もあるようです。
 コスト重視、大量生産の仕組みで成り立っている地域や暮らしもありますので、あっち(大量生産される「綿」)は善からず、こっち(オーガニックコットン)は悪しからず、と一概に割り切ることはできません。

 しかし、自然の力を人工的に抜き取るようなことをせず、環境への負荷も抑えながらできる服作りもあるのではと考え、自分たちにできるアクションとして、100%オーガニックコットン、オーガニックプロセスによる服作りを始め、早15年が経ちました。

 オーガニックコットンの服は保温性が高く、また、人体にあたる紫外線の9割をカットします。
 ロープス・オーガニック・コットンは、無垢な綿が持つやさしい肌触り、ふわっと軽くてあたたかい着心地を、ぜひ末長くお楽しみいただきたいと考えています。

綿花の栽培プロセス

発芽後

大量生産される「綿」の場合

収穫量を増やすため種、土を殺菌処理し、化学肥料を与えます。

オーガニックコットンの場合

土壌を健康に保つため、種にも土にも殺菌処理を行いません。
堆肥など有機肥料を与えます。

発芽後

大量生産される「綿」の場合

雑草駆除のため除草剤を散布します。
土の中の微生物が弱って働けないので、薬品なしでは作物が育たない畑になります。

オーガニックコットンの場合

芽が育ちやすい環境を作るため耕し、雑草は取り除きます(大変な手間がかかります)。

成長期

大量生産される「綿」の場合

化学農薬を使用するため、土壌が荒れ、水を大量に撒かなくてはなりません。
大量の水は地中の塩分を導き出し、さらに土壌が荒れます。成長のための肥料他を散布します。

オーガニックコットンの場合

土の中の微生物が元気に働く豊かな土は、少量の水で成長します。
雨風その他、自然の影響からバランスを保つためのきめ細かい管理が必要です。

刈り取り

大量生産される「綿」の場合

機械で葉も茎も一緒に刈り取ります。

オーガニックコットンの場合

人の手で一つ一つ摘みます。

製品になるまで

─ 糸 ─

大量生産される「綿」の場合

高速加工のための補助剤や、漂白・染色などの化学処理を行います。

オーガニックコットンの場合

低速でじっくり加工するため天然の補助剤を使い、一切の化学処理をせず綿花の色のまま仕上げます。

─ 生地 ─

大量生産される「綿」の場合

漂白・染色・プリント・その他の化学処理を行います。

オーガニックコットンの場合

一切の化学処理をせず綿花の色、風合いが活かされたまま生地になります。

認証について

ロープス・オーガニック・コットン製品に使われているオーガニックコットンは、ドイツのIFOAM(世界有機農業運動連盟)から認可されている認証団体より認証を受けています。

オーガニックコットンの認証機関

CALIFORNIA CERTIFIED ORGANIC FARMERS

ORGANIC CROP INPROVEMENT ASSOCIATION

EKONOMISK FOVE-NING

INSTITUTE FOR MARKET ECOLOGY

IFOAMとは?

1972年にオーガニック農法を生態的、社会的に健全で、持続性のある生産方法として、普及促進することを目的としたIFOAM(国際有機農業運動連盟)がドイツのテリー州で設立されました。
そこでは農業者、科学者、消費者が一体となって基準を作り、この基準が多くの民間の認証団体や1991年に成立したヨーロッパ規格、またアメリカの連邦法や国連のオーガニック基準の下地にもなりました。
IFOAM自身は直接に認証するのではなく、基準の作成と研究、認証機関の認定、そして全体の調整機関として活動しています。

IFOAMガイドライン(要約)

必要性

農地への全ての投入物は必要性があり、且つ必然性がなくてはならない。
既にオーガニック生産に使用されている投入物も含め、全て調査される。

天然物の使用

投入物は本来天然物でなくてはならない。
ただし、天然の物質と同等なもの(酢酸、アルコール、フェロモン)は、特別な場合のみ、最小限使用できるが暫定的である。

生産の方法

投入物の原料は下記の加工方法で行うこと。

  • 機械的加工
  • 物理的加工
  • 酵素を使用した加工
  • 微生物による加工

特例と認められた場合のみ、化学的な加工が認められる。

環境

環境安全性
投入物は環境、地下水、大気を汚してはならない。

分解性
全ての投入物は、二酸化炭素、水、およびミネラルの形に分解されること。

倫理面-動物の保護

投入物は、その動物の自然の行為、もしくは農場で飼育されている動物の生理的機能に対して悪影響を及ぼしてはいけない。

消費者の意向

投入物は、消費者が安全に不安を持つことが当てはならない。まだ科学的に証明されていなくても、環境、生態的、健康に安全でないと
消費者が考える投入物は使えない。

公正取引・フェアトレード

オーガニック農業生産者及び加工業者は、国連の人権条項に沿う生活を維持し、安全な労働環境を含め、基本的必要条件を満たし、適切な収入と仕事の満足感を得られること。

小自作農、伝統的農業

小自作農は、その製品の売買のための交渉に参加できなければならない。

加工

加工はその地域の雇用促進のため、その製品の生産された地域で行われるのが望ましい。

子供の権利

子供の労働力の強制は禁止する。

現地人の権利

現地人の農業活動や物産品の生産、生活に必要な資源に対して彼らの権利を侵してはならない。

以上。

世界有機農業運動連盟(IFOAM)
http://www.ifoam.org/